〜奇跡の発見(Miracle Discovery)
2009 安城市内の古民家から文字書き人形を発見 鈴木一義氏(国立科学博物館)により貴重な文化財であることが判明 所有者から安城市に寄贈 2011 安城市から九代玉屋庄兵衛に文字書き人形の複製製作を依頼 2012 複製品完成披露(安城市市制60周年記念事業) |
文字を書くからくり人形は、1662年に始まった舞台からくり「竹田からくり芝居」の演目に見られる。菅原道真風のからくり人形が、口と両手に筆を持ち、それぞれの筆で3文字を書くものである。竹田からくりの文字書き人形の技法は、山車からくりによって、現代に引き継がれている。 座敷からくりの文字書き人形として、東野進氏によって復元された田中久重作の文字書き人形が唯一であった。寿、竹、松、梅の4文字を書くもので、2005年の愛知万博で披露された。安城の二筆文字書き人形は、座敷からくりとしては2体目である。 日本の文字書き人形は、人形が書いた文字を観客に見せる動作まで演技する。西欧のオートマタの文字書き人形には、見られない特長で、日本のからくり人形が、常に観客を意識して製作されていることが分かる。 |
山車からくりの文字書き人形
有松祭布袋車(名古屋市) 戸田祭三の割車(名古屋市)
大垣祭菅原公車(岐阜県) 津島秋祭中町車(愛知県)
竹田からくり芝居の技芸「文字書き人形」が、旧尾張藩の山車からくり祭に受け継がれている。
発見された安城文字書き人形
右手と口に2本の筆をもつ 左手に書台を持ち「松竹」と書く
4枚の飾り板で機構部を囲む 損傷が激しい機構部
古民家で発見され安城市に寄贈された座敷からくり「安城文字書き人形」は、外観だけでなく内部機構の損傷もかなり激しかったが、鈴木一義氏(国立科学博物館)の鑑定調査によって、このからくり人形が江戸末期の製作と推定され、重鎮による重力を動力源し、口と手で文字を書く非常に貴重な作品であることが明らかになった。 |
九代玉屋庄兵衛による複製製作
安城文字書き人形完成披露(2012.6)
1年間の復元作業を語りながら実演する九代玉屋庄兵衛氏
↑画像をクリックすれば動画が見られます
披露会で安城文字書き人形の素晴らしさが実証された
市制60周年 記念特別展「からくり人形の世界」
2012年7月21日〜9月17日
特別展案内板 展示室入口
夢からくり座によるからくり人形興行
九代玉屋庄兵衛氏によるからくり人形実演・解説
国立博物館の鈴木一義氏による特別講演「江戸のハイテク・からくり人形」
愛知工業大学によるロボットデモンストレーション
市制60周年記念誌「からくり人形の世界」安城市歴史博物館発行2012年7月21日
掲載論文「安城市の文字書き人形 その特長と機構」末松良一著(PDFファイル)
末松良一(Yoshikazu Suematsu)宛 電子メール:suekarako@qc.commufa.jp