中国の学者王振鐸の指南車復元図面
 
 指南車は磁石を利用して南北をさす装置と考えられたことがあるが,現在では指南車は磁石ではなく,歯車仕掛けによって車上の木像が絶えず一定方向を指すように作った装置とする説が一般的である。 
 このページに掲げた図面は,王振鐸氏による復元指南車の図面である.北京の天安門広場横の中国歴史博物館に展示されている指南車も,この図面に基づいている. 
 この指南車の原理は,長柄(車を曵く棒)の後端と左右の噛み合い歯車がヒモで結ばれており,長柄を右傾けて,車を右に旋回させると左の噛み合い歯車が中央の大歯車と噛み合い左の車輪の回転角に大歯車が逆回転し,大歯車軸上にある木像は一定の方位を示す.直進するときは,左右の噛み合い歯車は共に大歯車と噛み合わないように,ヒモの長さが調節されている.